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Channel: 原田星 –ブログ –株式会社スプー
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聴き放題サービスは、かつて音楽が好きだったおじさんのためにある

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Music Unlimitedのトップ画面

グーグルによる「Google Play Music All Access」の発表や、Appleによる「iTunes Radio」など、大手による新サービスのアナウンスによって音楽聴き放題サービスがじわじわが話題を呼んでいるようです。 上記2サービスが日本でも使えるようになるのかどうかは現時点ではわかっていません。PandoraやSpotifyといった、海外では既にスタンダードになっている大手ストリーミングサービス同様、日本からは指を加えて見ていることになる可能性のほうが大いだろうという意見もあります。 そこで私が注目したいのは、日本で既にスタートしている定額聴き放題サービスです。実は日本では既に多くの聴き放題サービスが開始されています。ドコモの「dミュージック」、レコチョクの「レコチョク Best」、フェイスの「FaRao」、台湾からやってきた「KKBOX」、SONYの「Music Unlimited」などがそれに当たります。これらのサービスの多くはスマートフォンをメイン機器として捉えているためか、いわゆる洋楽好き(≒自分のような中年の音楽好き)にあまり刺さっていないのではないかということをなんとなく感じていました。 かつては月に10枚以上のCDを買っていた人たちでも、30代も半ばを過ぎた頃には年に5枚も買わなくなっているのではないでしょうか。上で触れているうちの幾つかのサービスは、そんな人達にこそうってつけなのです。 洋楽好きだった皆さんに特にオススメしたいのは、ブラウザで使えるMusic Unlimitedです。ここはとにかくカタログが豊富なんです。2013年1月の時点で1,300万曲、現在はその後のリリース分が追加されてもっと増えているはず。権利関係でうまくいかない音源も多いので、すべての音楽が揃っているわけではないです。その点で不満を持つ方もいるかもしれません。 [caption id="attachment_2606" align="aligncenter" width="400" caption="今週WOWHDから届いたCDたち"][/caption] アーティスト買い、レーベル買い、ジャンル買い、ジャケ買いと、CDの買い方にいろいろあるように、聴き放題サービスの聴き方も多様です。Music Unlimitedの使い方で自分が楽しんでいるのは、マイナーな洋楽の新譜を聴き漁ること。一昨年までは少なくとも毎月20枚以上の新譜を買う暮らしを10数年は続けてきたので、聴いたことがない新譜が配信されるのは経済的にとても助かります。結果、基本新譜は配信で聴いて、興味があるけど配信されていない新譜についてはCDで買うという習慣が身につきました。毎月買ってるCDは10枚以内に抑えられています。 また、検索していると意外にマニアックな音源の発掘もあるのです。KPMのコンピが大量に揃っていたり、ECMの売れてなさそうなカタログを見つけたり、ちょっとマニアックなブラジル物を探したりと、掘ることをデジタルで楽しむこともできます。月額980円でここまで楽しめれば充分元は取ったと言えそうです。 邦楽が少ない、インターフェイスが悪すぎる、レコメン機能が弱い、新譜紹介がまともに動いていない、すべての動きがもっっっっさりしてるなど、Music Unlimitedにはストレスを感じる点もたくさんあります。サービスとしては貧弱ですが、聴きたい音をカタログから引っ張ってくることを楽しめる人であればきっと満足できるサービスではないかと思っています。 [caption id="attachment_2584" align="aligncenter" width="750" caption="KKBOXのトップ画面"][/caption] もうひとつ紹介したいのがKKBOXです。PCで使うには、ブラウザではなくiTunesっぽい見た目のアプリを起動する必要があります。このサービスでなにが面白いかというと、アジアの音楽が他のサービスよりも多めにあることです(ただし、洋楽はかなり少ない)。たとえば、自分が知っている台湾のアーティストの音源を検索すると、蛋堡、棉花糖、公路白、強迫女孩、拍謝少年、鄧福如と、結構簡単に複数の音源を探すことが可能でした。K-POPのようにマーケットがしっかりした芸能感の強いもの以外は、アジア音楽は好きものにしか受け入れられていません。KKBOXのようなアジア発のサービスが、少しでもそんな状況を変えてくれればなと。利用料金はこちらも月額980円です。 どちらのサービスも、完全にリスナーの立場として紹介しているので、音楽産業的な貢献度はそうとう低いのではないかと思います。が、リスナーとして実際に使ってみて、知らない音楽を探す楽しみが味わえたのは上の2サービスでした。どちらもお試し期間が設定されているので、週末に音楽ガイドブックを片手に聴き放題サービスを徘徊してみてはいかがでしょうか。かつてCDをたくさん買っていた方々は、当時の興奮がよみがえるかもしれません。 ・Music Unlimited https://music.sonyentertainmentnetwork.com/ ・KKBOX http://www.kkbox.com/jp/ja/index.html

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